Welcome to my blog

マバタキ

Article page

刹那愛 N0.58

Category - 小説Ⅱ
hand.jpg



ありさの行動をいぶかしむ一人の人間がいない訳では無い、

ただ現実にありさを見て嘘だろうと否定したのは、若いころ占いをしていた老婆の孫であり私立大学生の森和也である。

自分の祖母がベッドからの転落で事故死扱いという理由を聞いた時に、祖母の言葉を思い起こす。

和也は幼い時に祖母に随分可愛がられていたので、痴呆が進む前は良く見舞いに行っていた。

祖母の痴呆が進むにつれ会いに行くたび和也に向かい祖母は聞く。

「あなたはどちらの方ですか」といい祖母は横を向いてしまう。

ひどい時には顔を見るなり大声で叫ぶのだから、若い和也には耐えられなくなり足が遠のいた。

けれども、偶然祖母が正気に戻ったのではないかと、和也が思う時に出くわせた日がある。

しばらく会わずにいたが心配する気持ちは、実はいつも頭の片隅にあった和也が行った日が、

ちょうど祖母が急死する一月前の事であった、まだ肌寒く風の吹く夕方に祖母の好きなマロンケーキを買う。

祖母は和也を見るなり大変喜び涙さえ流したほどで、和也ももらい泣きするほど嬉しかった。

いつもの祖母が見られたことで和也には生涯忘れる事は出来ない祖母との思い出となる。

しかし、その時に祖母は和也に耳打ちするように言う。

「大きな声では言えないよ看護師がいつか私を殺すから、和也おばあちゃんは分かるんだよ」

「まさか、おばあちゃんあり得ないよそんな事、看護師さんがする訳ないだろう」

「そうだねぇ・・・・・・・おばあちゃんは和也に来てもらえてうれしいよ」

「俺、毎日来るよおばあちゃん」

その会話後からすぐにまた痴呆特有の症状が出始めて、和也はショックで行かなくなる。

翌日、和也は病室を訪れるが両親も来ていたが、会話にさえならず落胆しながら親子は帰る。

娘になる和也の母親はつぶやいた。

「おばあちゃんが私を分からなくなってしまったのょ・・・」

「親が親でなくなる時が来るなんて・・・想像もしたことが無かったゎ・・・」

「会うたび私に向かい言うんだもの、どちら様ですかって・・・」

和也は母親の嗚咽を何度聞いたか分からない、孫の自分さえ辛いと思うのだから・・・。

娘の立場である母親の胸中を察すると、慰める言葉も見つからないので黙る。

一月前の話を両親に告げると驚きは相当である。

「何故今頃言うの、もっと早くに言っていたら・・・でも病死だと保険の金額違っていたわねぇ」

「今更、証拠はないんだし和也忘れなさい」

「そうだよ、今更おばあさんが生き返る訳では無し、誰にも言うなよ和也」

金銭の事に話が変わると両親は人が変わった様に、TVを見始めるとお笑い番組に笑いあう。

所詮悲しみより生きている人は自分が大事と、言わんばかりの対応である。

そしてそのことが、逆に被害を拡大するなどは誰も考えが及ばなかった。

だが、日がたつにつれ疑問は和也の心の中で大きく占める、何故なら和也にも祖母の血が流れている。

占いをしていた祖母の直感は鋭く幼いころの和也は、祖母に聞いた事がある。

「おばあちゃんの直感ってどんなふうにわかるの」

「占う事よりもまず相手を見た瞬間にひらめく事なんだよ、それには理由があるんだよ」

「どんな理由なの・・・」

「鳥肌が立つほど・・・・おばあちゃんには分かるんだよ、長年人を見ているからね・・・」

和也は都立高校から受験で私立大学を受ける為、その後は聞かずじまいで祖母が病気になる。

不思議な事に祖母は自分の未来を予知していたかのように娘になる母親には言い聞かせていた。

「痴呆の病気は本人が分からなくなった場合家族は、もう悲しまないように・・・分からないんだから」

言われていたせいもあるのだろう、両親はそれから話題を避けるようになる。

和也はそれとなく病院に行き担当看護師がありさだと知り、殺人者には到底思えず驚く。

だが、気になりだして何度となくありさを尾行するようになる。

ありさはときどき人の気配を感じてイラつきだしていた、そのはけ口は颯斗の両親へと・・・・。

和也はもちろん想像だにしない、、自分の行動が犠牲者を出すきっかけだとは・・・。



     


ブログランキング・にほんブログ村へ

Category - 小説Ⅱ

     

【ドイツTRIXIE】アウトドアにも!ドイツTRIXIE 自転車に取り付けるキャリーバッグ!フロントボックス Mサイズ【キャリーバッグ ペットカート お散歩 ドライブ】

価格:11,231円
(2017/1/11 19:09時点)
感想(0件)

0 Comments

Post a comment