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マバタキ

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刹那愛 N0.64

Category - 小説Ⅱ
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遠くでけたたましく聞こえる犬の遠吠えは闇夜の国から近ずく魔物の出現を知らせるようだ。

足音を忍ばせるように歩くありさの身体はまるで天使のようにさえ見間違える程可愛い。

白いシルクのガウンは歩くたびに身体の動きにまとわりつくが素肌の肩にかけられただけである。

夜中22時ちょうどの時刻を壁時計が知らせると同時に、ありさは起き階段をおりる。

彼女の左手にはアイスピックだけが握られている。闇夜に月明かりでアイスピックが光る。

「忌々しい奴・・・・」呪文のように口走るありさはもはや、颯斗さえ憎むのではないかと思える形相だ。

階下に降りると義母の部屋の前に立ちドアを開け、ありさは寝入る義母をただ無言で見降ろす。

数秒後にいきなり義母の首ををめがけてアイスピックを突き刺すが義母が寝返りを交わした瞬間である。

運よく義母はほんの数秒の差で命を取り留める事ができた。

「ありさちゃんどうしたの、こんな真夜中に・・・・明日には颯斗が帰国するのよちゃんと寝ないといけないわ」

ありさは義母から颯斗の事を言われ人格が普通に戻ってしまい、我に返るようになるが一瞬その時だ。

強い人格が勝り又出てくると義母に襲いかかる気持ちが湧く、しかし「颯斗」と言う言葉に反応する普通のありさがもがく。

義母はただならぬ気配におびえるが目の前でアイスピックを振りかざしながらくるくる回るありさ。

強い人格と颯斗を愛する普通の人格とが一つの身体でせめぎ合うその姿に呆然とする義母。

しかしいづれにしても一人の人間である、力尽き義母のベッドに両手を伸ばしたまま座り込む姿勢で寝る。

義母は呆然とはしていたがすっかり目が覚め意識も戻り、ありさの行動が疑惑だらけの兆候を知る。

襲い掛かろうとするありさと止めようとする意識が絡み合い、二つある人格のありさを見る。

ありさは深い眠りに落ちている様子で義母が顔の前に手をかざすが微動だにせず寝息を立てる。

義母は最初におそるおそるありさの両手を動かさないように身体をづらしていくがありさの両手に力が入る。

思わず義母はありさが気が付いたのかと「ゾクッ・・・・・」として鳥肌が立つ。

「ウゥ~ン」と顔を横にずらしたありさに義母はおびえる・・・しかしありさは起きだしてはいない。

しばらく様子を見ていた義母は少しづつもう一度身体を動かし始めてベッドから降りようと試みる。

だが、どうしてもありさの両腕が義母の足の上に伸びた状態で動かすには気が張っている。

まるでいつ飛び出してくるか分からないゲームのように、義母は羽毛の掛け布団の下で数ミリ単位で動く。

そう・・・・起きだしていつまたアイスピックを振りかざすかわからない状況のありさである。

義母の掛け布団の上に置かれたありさの左手の中にはアイスピックがきつく握られているのだから。

夜中の22時55分・・・義母の額に粒のように吹き出る冷や汗はとめどなく流れる。

心で叫ぶ「お願い颯斗助けて」



その頃機内の中で颯斗の携帯が床に落ち、通りかかった客はオランダ人だ。

大男の足先で潰れた颯斗の携帯には着信さえ届かない。






     


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